徳間書店『世界が憧れる天皇のいる日本』における事実誤認と経過報告(宗教法人立正教団・里見日本文化学研究所・日本国体学会事務局)

宗教法人立正教団・里見日本文化学研究所・日本国体学会事務局

 去る八月十七日、日本国体学会会員より連絡を受け、当該書籍を確認し、ただちに発行元の徳間書店に抗議致しました。
 その後、徳間書店との協議を何度も重ね、訂正及び経過につき「株式会社徳間書店 担当執行役員 金箱隆二」名の書面を最終的に受領しておりますので、御報告致します。[PDF]

『世界が憧れる天皇のいる日本』事実誤認表記に関するご報告

                             平成28年11月4日

日本国体学会 御中

                             株式会社徳間書店
                            担当執行役員
                             金箱隆二

 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 この度は弊社刊『世界が憧れる天皇のいる日本』(黄文雄著、2014年4月刊。以下、本書)において事実誤認表記により、多大なるご迷惑をお掛けすることになったことを、深くお詫び申し上げます。
 事実誤認表記が起こった原因、今後の対応策につきまして、弊社内で何度も話し合いをもち、下記のようになりましたことをご報告申し上げます。

1 状況

 本書160ページにある、

<戦後日本の「進歩的文化人」は、「江戸時代の日本人は天皇の存在を知らなかった」という主張まで始めた。その筆頭ともいえる里見岸雄(1897~1974)は著書『万世一系の天皇』で、ただ2、3の特例を拾って、維新前の大部分の日本人が天皇を「知らなかった」と結論づけている。しかしこの論証はあいまいで漠然としており、史実とはかなり乖離している>

 という文章に、2016年8月17日、日本国体学会様より「里見氏の主張とは真逆の内容になっている」との抗議をいただきました。

 同学会様のご指摘によれば『万世一系の天皇』324ページには、

<(25)徳川時代の国民は天皇を知らなかつたといふ者があるが真偽を知りたい。

 天皇を知らなかつた二三の例を拾ひ集めて証拠として示すのがこれらの者の常套手段だが、国民の大部分が天皇を知らなかつた事を史料で証明出来なければこの論の科学性はない。逆に国民の大部分が天皇を知つてゐたと推定させる文献は数限りもなくある。>

 とあります。

著者の黄文雄氏に確認したところ、本来は「江戸時代の日本人は天皇の存在を知らなかった」という論への反証として里見氏の論を使用するつもりが、単純なミスにより逆の論旨になっていた。指摘を受けるまで全く気付かなかったことは深くお詫びしたいとのことでした。

2 ミスの原因と今後の対策

『万世一系の天皇』の当該部所の文言や論理構成からして、黄文雄氏がこの部所を要約して使おうとしたことは明らかです。黄氏によれば、黄氏の手書き原稿をスタッフがパソコンで書き起こす際に、「これに反証する知識人の(筆頭ともいえる)」「彼らは(ただ2、3の特例を拾って)」といった文言を欠落させてしまい、そのまま徳間書店に渡され、刊行に至ってしてしまったと考えられる、とのことでした。

 また、徳間書店は、引用であれば原著を確認していますが、著者の論や意見については、それを尊重するために、通常、手を加えることはしていません。今回、徳間書店は上記の文章を著者の論と捉えていたため、原著への確認を行わなかったことも原因の一つと思われます。

 しかし今後は、人名や書名が出てくる文章については、それが著者の印象や要約、論であっても、極力確認することで同様のミスを防ぎたいと考えております。

3 対応

1.本書については下記のような正誤表を作成し、書店・図書館に配布します。

正誤表

160ページ 12行~16行

(誤)戦後日本の「進歩的文化人」は、「江戸時代の日本人は天皇の存在を知らなかった」という主張まで始めた。その筆頭ともいえる里見岸雄(1897~1974)は著書『万世一系の天皇』で、ただ2、3の特例を拾って、維新前の大部分の日本人が天皇を「知らなかった」と結論づけている。しかしこの論証はあいまいで漠然としており、史実とはかなり乖離している

(正)戦後日本の「進歩的文化人」は、「江戸時代の日本人は天皇の存在を知らなかった」という主張まで始めた。

 これに対して里見岸雄(1897~1974)は著書『万世一系の天皇』で、こうした進歩的文化人らはただ2、3の特例を拾って、維新前の大部分の日本人が天皇を「知らなかった」と結論づけているが、その論証はあいまいで漠然としており、史実とはかなり乖離(かいり)している、としている。

2.本書の当該部所がネット論壇iRONNA(http://ironna.jp/article/3792?p=3)に掲載されていたため、8月18日に上記の正誤表にある(正)の文章への修正をお願いしました。

3.本書の電子書籍については、8月19日に各電子書籍メーカーならび書店に上記修正を依頼。同月25日以降、順次修正が反映されています。

4.次回の増刷時には1.の(正)への本文修正を致します。

徳間書店といたしましては今回のことを重く受け止めており、今後はさらに慎重な書籍作りにあたりたいと考えています。

以上、真意をお汲み取りいただきますよう、お願い申し上げます。

以上

 以上、本状の受領を以て円満解決としました。会員各位に御報告致します。

【本件に関する問い合わせ先】
 日本国体学会 事務局
 電 話 0422(51)4403
 メール

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