【出版案内】『英米世界秩序と東アジアにおける日本――中国をめぐる協調と相克 一九〇六~一九三六――』 »»»»»»»»»»こちらをクリックして下さい

 

「国父」の死とタイ社会の将来(樋泉克夫)

愛知大学現代中国学部教授 樋泉克夫
「国体文化」平成28年12月号より

 十月十三日、タイのチャックリー王朝ラーマ九世に当るプミポン国王が八十八歳(一九二七年~)で崩御され、タイ全土は一斉に喪に服した。喪服姿の人々が黙々と、粛々と王宮に足を運ぶ光景を、内外メディアは亡き国王の威徳を讃仰する国民の素朴な振る舞いであると伝える。だが、一面では将来に対する国民の漠然とした不安の表れとも受け取れる。

 現在のタイにとっての最大の不安要因は、悲しみに暮れる国民の前に、未だに新たな国王像が示されていないことだろう。

 王国・王制の安泰を求めて
 現王朝を開いたチャックリー将軍は民衆の願いを受け前トンブリ王朝の混乱を鎮圧し、一七八二年にラーマ一世として王位に就いた。その後、英仏など西欧列強の東南アジア進出の渦に巻き込まれるが、明治元年に当る一八六八年に即位したラーマ五世による近代化が奏功し、王制に絶対的権威をもたらすと同時に周辺諸国とは異なり殖民地化を防いだ。

 だが二十世紀に入り、王制は危機を迎える。

 五世王が没した翌一九一一年には早くも民主化を求める反乱がおきた。因みに一九一〇年には日韓併合が行われ、一九一一年には辛亥革命が起り、清国が崩壊している。上海事変勃発の一九三二年には「立憲革命」が起り、専制君主制から立憲君主制へと政体は大きく変貌する。
 …… ……(続きは本誌「国体文化」平成28年12月号で)
樋泉克夫「「国父」の死とタイ社会の将来」プミポン国王崩御を縁として
【執筆者略歴】
樋泉克夫(ひいずみ・かつお)
山梨県生まれ。香港中文大学新亜研究所で学び、外務省専門調査員(在タイ大使館)、愛知県立大学教授を経て二〇一一年より現職

shucho

国体規範論 中(71)(里見岸雄)

日本国体学会総裁・法学博士 里見岸雄

  第二項 ポツダム宣言の受諾と憲法改正
   第六款 憲法改正草案の発表及び帝国議会の審議と公布
    第四目 所謂国体問題の審議
     ㈦ 象徴と大権及び無答責

国体論から観た壬申の乱 (上)(山本直人)

東洋大学文学部日本文学文化学科非常勤講師・文藝評論家 山本直人
「国体文化」平成28年12月号より
[PDF]
267612nahoto

 壬申の乱、ふたたび

 昭和十三(一九三八)年四月二十三日朝。静岡の興津の別邸にて、元老・西園寺公望は秘書の原田熊雄に向つて次の様に語つた。

「まさか陛下の御兄弟にかれこれいふことはあるまいけれども、しかし取巻きの如何によつては、日本の歴史にときどき繰り返されたやうに、弟が兄を殺して帝位につくといふやうな場面が相当に数多く見えてゐる。…或は皇族の中に変な者に担がれて何をしでかすか判らないやうな分子が出てくる情勢にも、平素から相当に注意して見てゐてもらはないと、事すこぶる重大だから、皇室のためにまた日本のためにこの点はくれぐれも考へておいてもらはなければならん。」(原田熊雄『西園寺公と政局 第六巻』・「第七章 近衛総理の辞意」から「皇室の将来に対する公爵の憂慮」岩波書店、昭二六)

 前年六月に近衛文麿内閣成立後、ひと月を経て支那事変が勃発。翌年にその近衛が「国民政府を対手とせず」とする声明を出し、日中衝突が泥沼化していつた時期にあつた。改めて説明するまでもなく、「陛下の御兄弟」とは、昭和天皇の弟宮、秩父宮雍仁親王と高松宮宣仁親王のことである。

 とりわけ天皇よりも一歳下の秩父宮は、二年前の二・二六事件の際、周囲から〝黒幕〟視され、その国民的人気と積極的な政治的発言から、西園寺も過剰な警戒を示してゐた。

【国体文化】平成28年12月号

国体文化28年12月号

【国体文化】平成28年12月号

 

【国体文化】平成28年12月号
通巻1111号/目次
===========================
〔巻頭言〕トランプといふ黒船……表2

◉主 論
有識者会議を実質的にリードする者/金子宗徳……2

◉天武天皇は〝簒奪者〟だつたのか
国体論から観た壬申の乱 (上)/山本直人……10

◉プミポン国王崩御を縁として
「国父」の死とタイ社会の将来/樋泉克夫……22

〔巻頭言〕トランプといふ黒船

「国体文化」平成28年12月号巻頭言

 アメリカ大統領選挙において、共和党のトランプが民主党のクリントンを抑へて当選した。事前の報道ではクリントン有利とされてゐたにもかかはらず、いざ蓋を開けてみれば、民主党の牙城とされてきた中西部の各州でトランプが勝利したゝめだ。

徳間書店『世界が憧れる天皇のいる日本』における事実誤認と経過報告(宗教法人立正教団・里見日本文化学研究所・日本国体学会事務局)

宗教法人立正教団・里見日本文化学研究所・日本国体学会事務局

 去る八月十七日、日本国体学会会員より連絡を受け、当該書籍を確認し、ただちに発行元の徳間書店に抗議致しました。
 その後、徳間書店との協議を何度も重ね、訂正及び経過につき「株式会社徳間書店 担当執行役員 金箱隆二」名の書面を最終的に受領しておりますので、御報告致します。[PDF]

皇位継承の意義を踏まへた議論を──有識者会議に望むこと

里見日本文化学研究所所長・亜細亜大学非常勤講師 金子宗徳
「国体文化」平成28年11月号「主論」より
[PDF]

 有識者会議の顔触れ
 九月二十三日、安倍晋三内閣総理大臣は「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の開催を決定、菅義偉内閣官房長官より発表された。有識者会議のメンバーは以下の六名である。

  今井  敬(86)日本経済団体連合会名誉会長
  小幡 純子(58)上智大学大学院法学研究科教授
  清家  篤(62)慶應義塾長
  御厨  貴(65)東京大学名誉教授
  宮崎  緑(58)千葉商科大学国際教養学部長
  山内 昌之(69)東京大学名誉教授