総裁非常訓辞(昭和20年8月16日)

以下の一文は、昭和天皇の玉音放送を受けた翌朝、本会の創設者・里見岸雄が疎開先の秋田県比内町扇田で執筆され、全国各地の門下同志に送ったものです。


総裁非常訓辞

四ヶ年に亘る一億国民非常挺身の功も空しく、万事休せり矣 昨十五日玉音を拝聴して感極まり言ふべき処を識らず。
回顧すれば六月八日総裁訓辞第一に於て予は予め斯くの如き事態を杞憂してひそかに腹中を吐露しおけるも、思はざりき僅か二ヶ月余にしてこれをわが悲しき現実の覚悟とせんとは。夢か、夢にてあれ、幻か、幻にてあれ! 然れども、悲痛の事実は眼前にありて峻烈過酷を極めたり。民の茫然自失必ずしも責むべきに非ずといふべし。吾等多年の血叫唱導終に国に用ひられざりしこと実に千載の恨なりと雖も亦これわれらの微力至誠天に通ぜざりしを思ふ時、懺悔、大懺悔真に身を斬らるるに超えたり。聖断既に下れり、我等は身を以て真日本の建設に邁進せざるべからず。国運の復興国力の恢弘断じて今後十年乃至二十年の間に在らん。

落胆する勿れ、奮発せよ。自棄する勿れ、誓願に生くべし。わが大日本帝国は二千六百五年にして真の国体顕現の歴史に入れり。転禍為福の妙義蓋し、此時にあらん。われら神罰を拝受し、新しき神命の下、敢然国体顕揚の大事にいそしまん。熱涙の中に国体を仰視せよ。焼土の中より正義護国の大道念を燃えあがらせよ。日本国体学会の任務は、終に天によって下されたりといふべし。各々日本国体学会会員たる者は、今ぞ、至高絶対の新任務を負担すべき時を迎へたり。予は時局の推移を見てやがて東京に帰るを得ば、本会大活動の新方針につきて改めて、わが会員諸君に図らんとすることあり。乞ふ、精神を建養して静に待機せられんことを。

真の日本はこれから也。何が何でも今度こそは国体顕現の日本にせずにはおかず、命限り、力限り、勃々たる興国の正気を発揚せざれば死すとも止まじ。

我れ誓つて世の国体論を粛正せん。
我れ誓つて国体政治の真義を開示せん。
我れ誓つて国民不滅の精神を振起せん。

昭和二十年八月十六日

天壌無窮の皇運を確信しつつ
里 見 岸 雄
熱涙を呑みて之を謹記す

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